⚫️ 膝関節の主な病気
膝関節の代表的な病気には、変形性膝関節症、関節リウマチ、骨壊死などがあります。また、スポーツや外傷などにより発生する半月板損傷、靭帯損傷などがあります。
【変形性膝関節症】
中高年になると膝の痛みを訴える方が多くなります。主な原因は変形性膝関節症によるものです。
現在の患者数は、自覚症状もない人を含めると約2530万人ともいわれ、これは40歳以上の2人に1人に相当します。男女比は1:2で女性に多く、40代から増え始め、60歳代女性では50%以上、80歳代女性では約80%の人が悩まされる病気です。
また変形性膝関節症になりやすい方の特徴として以下のようなものが上げられます。
○女性(関節軟骨を守る役割をする女性ホルモンが減少するため)
○50歳以上
○肥満傾向
○筋力が弱い
○過去に膝の怪我や病気をしたことがある
●どうして膝は痛くなるの?
膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨から構成されている関節です。これらの表面はとてもなめらかで弾力性のある関節軟骨に覆われています。その役割は衝撃を吸収したり、膝をスムーズに動かしたりすることができます。
しかし、関節軟骨が加齢や怪我などによって、徐々に擦り減っていきます。すると、関節の隙間が狭くなり、関節の縁にトゲのような突起物ができたり、いわゆるО脚になったりします。
そのため、膝が腫れたり、膝の動きが悪くなったり痛みを生じてきます。
変形性膝関節症が進行すると・・・
関節の隙間が無くなってくる・・・
【関節リウマチ(RA)】
関節リウマチは関節にある膜(滑膜)の炎症です(膠原病の一つ)。指・手関節・肘・膝・足関節など全身の関節が傷みます。現在の患者数は、60〜70万人といわれ、30〜50歳代の働き盛りの年代に多く、男女比は1:4と女性に多く発症します。
●関節リウマチの診断
2010年に、アメリカリウマチ学会(ACR)とヨーロッパリウマチ学会(EULAR)との合同による、新たな関節リウマチ分類基準が発表されました。関節リウマチは、全身のさまざまな関節に痛みや腫れが出るので、このような状態がある場合は、早めに医療機関・担当医へご相談ください。
⚫️関節リウマチの新分類基準による診断
最近は治療法が大きく進歩して、関節がひどく傷む前に病気を抑えられるようになってきています。そのため、 早期に治療を始めることが大切になります。
○バランスの良い食事
○体重のコントロール
○運動療法
○補助具の使用(日常生活動作や歩行 など)
○薬物療法(抗リウマチ薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬 など)
⚫️その肩の痛み、本当に五十肩(四十肩)ですか?
肩の痛みを引き起こす病気として、もっともよく知られているのは「五十肩・四十肩」ですが、病院で検査を受けてみると「腱板断裂」「腱板炎」「凍結肩」「石灰性腱炎」「上腕二頭筋長頭腱炎」等と診断されることがあります。
肩に痛みを感じたり、家族が肩を痛そうにしているなら、改善につなげるために、以下の項目をチェックしてみましょう。
肩の違和感セルフチェック
・自分は「五十肩・四十肩」という自覚がある
・腕を挙げた時に、肩のあたりでジョリジョリとした音がする
・水平より上に腕を上げることが出来ない
・洗髪や整髪、服を着る際に腕や肩が思うように動かず、不自由を感じることがある
・夜、肩の痛みで目が覚める
・横向きに寝ると下にした方の肩が痛い
・常に肩の周りが痛い
・思い当たるきっかけもないのに、肩に痛みがある
・背中を洗うのが困難だ
・お尻をふくのが困難だ
上記項目に一つでも当てはまる場合は、病院で正確な診断と適切な治療を受けることをおすすめします。
【凍結肩:肩関節周囲炎】
肩関節周囲炎とは、中高年者でさしたる誘因がなく肩痛および可動域制限をきたし、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎などの疾患が除外された疾患が定義とされています
⚫️症状
・関節がかたまって手が挙がらない
・じっとしていても痛い(強い痛み、じわーとした痛み)
・夜、痛くて目が覚める
・髪をとく時に痛い
・洗濯物を干す時に痛い
・ベルトを通す時に痛い
・エプロンの紐を縛る時に痛い
⚫️原因
年齢からくる肩関節の退行変性(質の低下、動きの低下)は原因として考えられます。
また、日頃の運動不足や仕事などで同一姿勢が長時間続くことで、姿勢が悪くなり、骨盤や胸、背骨の動きが無意識のうちに低下することから始まるものだと考えられます。
胸や肩甲骨が動かない分、退行変性のある肩関節自体に些細な日常生活動作でも過剰な負担がかかります。
次第に肩関節の炎症がおこり、痛みも生じ、肩の動きをおさえようとして肩関節周囲筋の緊張がおこり、可動域制限をきたすものと考えられます。
⚫️治療
投薬、注射…炎症を早期に取り除く必要があります。
理学療法……筋緊張のある肩関節周囲筋や腱の癒着などを取り除く運動療法が必要です。
手術療法……難治性の肩関節拘縮では時に手術が必要な場合があります。
【腱板断裂】
肩の安定性のために必要な筋肉や腱の集まりを肩腱板と呼んでいますが、その一部あるいはすべてが損傷されてしまい、腕の骨を肩関節に安定して保持することができなくなるために、動作での鈍い痛みや夜間の肩の痛みが生じてしまう病気です。腱板損傷とも呼ばれます。
40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。
頭上で腕を使う仕事やスポーツをする人に多く見られます。
多くの人はリハビリ治療で損傷していない筋肉の動きを改善させることで症状が緩和されます。
それでも改善しない場合は手術などの選択肢もあり得ます。
⚫️症状
・肩の深い位置に感じる重い痛み
・寝ているときの痛み(特に損傷した方の肩を下にしたときに痛む)
・髪の毛に触れたり、背中を触ったりすることが痛くてできなくなる。
・上腕の筋力低下を伴い、繰り返し運動をしているとだるくなってくる。
⚫️原因
・加齢 特に40歳以上
・特定のスポーツ(野球、テニスなど)
・塗装業や大工さんなどの特定の職業
・遺伝的な要素(ご家族の方が腱板断裂になったことがあると、ご自身もなりやすい)
⚫️治療
保存療法では、注射療法とリハビリが行なわれます。
肩の腱板は4つの筋肉と腱で成り立っていますが、一部に損傷がある場合、残っている筋腱をうまく使えるようにすることで、上腕骨が関節の受け皿の良い位置に保てるようにリハビリします。
また、肩周囲の筋肉や関節包、靭帯などの組織が硬くなり、様々な動作が行いにくくなっています。そのため硬くなっている筋肉などの組織を対象にストレッチやリラクゼーションを行い、肩関節の可動域を改善します。
また、肩の動きは、肩甲骨や胸郭、脊柱など、様々な部位が連動して動く関節になります。そのため、肩関節以外の問題となる部位も改善を図ります。
⚫️手術
関節鏡による腱板修復術、メスを入れる形での修復術、腱移行術、人工関節置換術があります。1~3カ月以上の保存療法を行っても症状の改善を認めず、疼痛や可動域制限により日常生活に支障がある場合は手術療法が考慮されます。
【腱板炎】
肩峰の下には腱板を保護するために滑液の入った袋があり”肩峰下滑液包”と呼ばれます。
保護の役割以外にも肩関節の動きを円滑にするといった役割を果たしています。
しかし、日常的に繰り返して生じる摩擦や衝突によって滑液包に炎症が起こり、腱板が腫れることがあります。
⚫️原因
腱板炎は肩に無理な力が加わったり、使いすぎが原因となって、滑液包や腱板に炎症を引き起こします。
また肩峰下滑液包には、肩の筋肉の無理な伸長を防止する働きがあります。
上腕二頭筋炎に付随して起きることもあります。
また、関節包は緊張や損傷を受けやすいので通常時でも引き起こす場合もあります。
スポーツでは野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーのアタックなどの動作が原因となります。
⚫️症状
腱板炎の症状は腕を上げていくときに痛みを生じ、その痛みで肩を動かすことが困難になります。
徐々に痛みが現れるため慢性的になりやすいです。ひどい状態になってくると夜中でも強い痛みが襲ってきて、なかなか眠ることができなくなります。この病気は特定の動作だけではなく、どんな動き方をしても痛みを伴います。炎症が長時間続くことにより筋肉が萎縮し、筋力が低下します。
⚫️治療
早期回復には超音波や微弱電流といった物理療法が有効です。
身体の使い方動作に問題がある場合は、運動療法として、身体の協調性を高めたり、使い方を上手くできるようにするためのエクササイズを行うことで痛みが出ないようにしたり、再発予防に繋げます。
腫れや炎症の程度が軽い腱板炎なら、自然治癒することもあります。症状が進行している時は、患部に傷を付けたり負担がかからないようにするために、固定具を装着すると炎症の治りが早くなります。非ステロイド性炎症薬の投与を受ける治療法で、炎症による痛みを緩和することが出来ます。
【上腕二頭筋長頭腱断裂】
上腕二頭筋は、いわゆる力こぶを作る筋肉で、上端が2つに分かれています。分かれた外側は長頭と呼ばれ、その長い腱(長頭腱)は肩関節のなかをとおって肩甲骨関節窩(肩関節の受け皿)の上に付きます。もう一方の内側の頭は短頭と呼ばれます。下端は、太い1本の腱で橈骨(前腕の親指側の骨)に付いています。
この筋のはたらきは、主に肘関節を曲げることと前腕の回外(手のひらを上に向ける運動)です。
上端の断裂は長頭腱に限って生じ、完全断裂と部分断裂(腱の一部だけが切れる)があります。完全断裂は特殊な場合を除いて障害はありません。部分断裂は、痛みが強い場合は肩の動きに支障を与えます。
下端の腱断裂は上端の腱断裂と比べて約30分の1と少ないのですが、重大な障害です。
⚫️原因
高齢になると、肩関節の部分で長頭腱の上面を包んでいる腱板が自然に高率に断裂します。長頭腱の断裂の大部分は、この腱板の断裂に伴って長頭腱が徐々に摩耗され、何でもない日常生活中に生じます。
一方、どの年齢層にも腱板断裂を伴わない長頭腱断裂が生じます。肉体労働やスポーツ(ことに剣道)に伴って、急に力を入れた時にブチッという音とともに断裂します。
下端の腱断裂は中・高年の男性肉体労働者に多く、下から重い物を急に持ち上げる時や、高い所からの荷崩れを支えようとした時などに生じます。
⚫️症状
長頭腱の断裂では肩から二の腕の前面に痛みを感じます。
肘を曲げて重い物を持ったり、手のひらを力いっぱい上に向けたりすると痛みが増します。
数日たつと痛みは薄れますが、力こぶの前面の皮膚に出血による青あざが出ます。
下端の腱断裂ではバキッと音がして肘の前面に強い痛みが現れ、肘の動きと手のひらを上に向ける動きは痛みのために不可能になります。次第に肘前面にはれと出血による青あざが現れます
⚫️治療
長頭腱の完全断裂はそれ自体では日常生活に支障がないので、高齢者の場合は痛みがとれるまで比較的安静を守るだけで構いません。しかし上腕二頭筋に命令を伝えている神経(筋皮神経)が引っ張られて肘の外側から前腕の親指側に痛みを起こした場合には手術が必要です。
長頭腱が断裂しても肘を曲げる力は保たれますが、手のひらを上に向ける力が弱くなるので、若い人や中年の肉体労働者の人では断裂した腱を上腕骨の上端に固定する手術がすすめられます。
部分断裂で痛みが強く続く場合には、断裂の部分を削って滑らかにしたり、完全断裂と同様の手術をします。
下端の腱が断裂した場合には、全例で手術が行われます。通常骨に腱が付く所で切れますので、骨に孔をあけてしっかり縛りつけます。
⚫️肘関節の仕組みと構造
肘関節は上腕骨と隣り合わせに並んでいる橈骨、尺骨の2本の前腕骨からできている関節です。
この3本の骨は互いに接触しており、肘関節のまわりは筋肉や靱帯によって補強されています。こうした組織が肘関節を支え、安定性を保ち動きやすくしています。
【肘部管症候群】
肘部管症候群とは、手の指先の運動や感覚をつかさどる尺骨神経に障害が生じることを指します。
主に、小指、薬指の小指側においてしびれや痛みを感じることが多く、握力の低下などの症状もみられます。
また、肘を曲げている時など尺骨神経への刺激が強くなると症状が強くなる点も特徴です。
末梢神経障害の中で2番目に多く、日常よく遭遇する病気です。
⚫️保存療法
まず肘を一次的に固定し、安静にする。スポーツや仕事による使いすぎが原因の場合は、休息を取り、日常生活で肘に負担をかける動きをしないようにする。炎症の程度がひどくなければ、こうした工夫によって症状の改善が見込める。
⚫️薬物療法
痛み止めや神経の回復を促す薬の服用などを行い、炎症が治まるのを待つ。一方症状が進行していて、安静や薬などによる治療効果がみられない場合は、手術を行う。
⚫️手術療法
尺骨神経を圧迫している靱帯を切り離したり、ガングリオンがある場合は切除したり、圧迫の原因を取り除くことが目的となる。
①単純除圧術
神経の脱臼がない方に行う方法です。
肘の内側を切開し、神経を圧迫している靱帯などを切り開きます。傷は数センチで、手術後の制限は特にありません。
神経の圧迫が解除されると、神経脱臼があきらかとなることがありこの場合は次の神経移行術を追加します。
②神経前方移行術
神経の脱臼がある方に行う手術です。
神経を骨の前に移動し肘の屈伸での神経の前後移動が起きないようにします。傷は単純除圧術より大きく、10㎝前後です。術後は安静のため、2週間程度肘を固定します。
③腱移行術
重症の場合、つまみ動作で力が入りにくくなることがありますが、つまみ力を早くに回復するための手術です。
麻痺していない筋肉の腱を移動したり、腱を移植することによってつまみ力を回復させます。
【手根管症候群】
⚫️手関節(手根管)の構造・仕組み
手関節の掌側(手のひら)には、骨と靭帯で形成される手根管と言われるトンネルがあります。ここを、指を曲げるための9本の筋肉の腱と神経(正中神経)が通っています。
●病気・病態
この神経(正中神経)が圧迫されることで発症する絞扼神経障害が手根管症候群です。
原因としては、手首の骨折後のむくみ、手根管内の腫瘍、妊娠、糖尿病、腎疾患、痛風など様々ですが、最も多いとされているのは中高年の女性に高頻度に発生する原因のはっきりしない突発性のものと、手首・手指を酷使する労働者に発生する滑膜炎(指を曲げる腱の炎症)によるものです。
症状は手指、手のひらの痛みやしびれです(母指〜環指の親指側)。初発症状として中指のしびれ感(ピリピリ、ジンジンする感覚)で発生することが多く、次第に隣の指に広がっていくのが一般的です。しびれ感は手を酷使した時などに増強し、夜間・早朝時に痛みが出たりします。
さらに神経の圧迫が持続すると、運動神経の障害として母指球筋(手のひらにある母指付近の膨らみ)の萎縮が起こり、摘み動作などが困難となります。こうなると、手のひらは変形して猿の手のように扁平してくるので猿手と呼ばれています。
●治療
治療は、症状が比較的軽度であればまず保存療法を行います。
消炎鎮痛剤の内服、理学療法、装具を用いた固定(安静)、局所への副腎皮質ホルモン剤注入などです。保存療法にて症状が改善しない場合や進行例に対しては、手術療法が適応となります。手術の目的は手根管内で圧迫されている神経を除圧していきます。
●手術
軽症例では保存的治療(投薬、夜間副子、ステロイドの手根管内注入)で改善することもあります。外科的治療として手根管開放術(屈筋支帯の切離)を行い、正中神経の除圧を行います。手根管開放術には手掌に切開を加える直視下法と内視鏡を用いる鏡視下法があります。
【手関節TFCC損傷:三角線維軟骨複合体損傷】
手の尺側(小指側)にある三角線維軟骨複合体と呼ばれる組織。
手関節の重要な機能である支持性と可動性の両立に極めて重要な役割を果たす軟部組織です。六つの靭帯と関節円板で構成されている組織。
⚫️TFCC損傷の原因
⚫️TFCC損傷の症状
⚫️TFCC損傷の診断
単純レントゲン撮影やエコー(超音波)による検査や疼痛誘発テストによる理学所見で診断をします。
⚫️TFCC損傷の治療
治療は大きく分けて保存療法と手術の二つがあります。
①保存療法
・消炎鎮痛剤投与…炎症を抑え、患部の疼痛を緩和します。
・サポーター固定、ギプス固定…安静を図り、負担を軽減します
②手術
損傷が重篤な場合や保存療法で症状が改善しない場合は手術療法となります。
【腰椎分離症】
●概要
腰椎分離症は中学生ぐらいの成長期のスポーツ選手に発症しやすい腰痛の一つです
腰椎にある骨(椎弓)の疲労骨折に始まり、進行すると分離すべり症へと移行します
●症状
スポーツ時の腰部痛、臀部痛、大腿の鈍い痛み
背中をそらすと腰痛が増強しやすい
運動のみならず長時間の立位、座位、中腰姿勢でも腰部周辺に痛みや違和感
●診断
まず腰椎レントゲンを撮影し分離があるか確認します
また症状が2-3週間以上続いている場合は疲労骨折があるかMRIを撮影し、
そこで疲労骨折が確認されればさらに分離部を特定するためCT検査を行います
●治療
基本的には疼痛軽減はかるため安静にします。そして、腰部に負担の来ない体作りを目的とした 運動指導を行います。当院では分離の程度(初期・進行期・終末期)や、年齢、スポーツの種類、大会時期など、各選手の状況に合わせながら治療方針の決定を行っております。
【足関節捻挫】
●疾患の概要
足関節捻挫は、日常での歩行時や段差などで生じることもあります
また、スポーツによる急性外傷としては頻度の高い障害です
●原因
スポーツ中において足関節を内側あるいは外側にひねることで発症します
関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯が損傷します
●症状
足首を内側にひねり、外くるぶし周辺の靭帯を損傷した場合、損傷部周辺に腫れや痛みが生じます
痛みは「安静時でも痛む」「押したら痛む」「歩く・走ると痛む」など損傷の程度によって変わります。損傷後に熱感や皮下出血が生じることもあります
●診断
患部を押したときの痛み(圧痛)の有無や、関節の緩みの程度を触診や徒手テストなどで確認します
当院ではレントゲン検査による骨折の有無や、必要に応じてMRI検査による靭帯損傷の確認を行います
●治療
応急処置として、受傷後RICE処置が有効です。
損傷の程度に合わせて患部を固定し安静にします。
患部の回復状況を見ながら、基本的な動作に加え俊敏的な運動機能を高めて行き競技復帰を目指します
※注意点
初回受傷時に適切な固定や安静期間を設けないと、関節の動揺性が残存して、繰り返し捻挫の原因になるので注意を要します
【肉離れ】
●概要
肉離れは、スポーツ競技中などに起こる急激な筋肉の収縮により筋肉の一部分が損傷・断裂した状態のことです
●発生機序
急激なダッシュやジャンプなどで筋肉が収縮している時に過剰な伸長ストレスがかかり発症します
準備運動不足や筋疲労が溜まっている時には、筋肉の伸び縮みにうまく対応できず発症しやすいです
●症状
スポーツ動作時の急激な筋肉の痛みで、重度では歩行障害が生じるます
断裂部の圧痛(押したときの痛み)と運動時の痛み
受傷部位を伸ばしたり力をかけるたりすることで痛みが増強します
≪好発部位≫
⚫️診断
断裂部位の圧痛・伸長痛の確認
⚫️治療
応急処置として、受傷後RICE処置が有効です
肉離れは再発が多い障害の一つです。重症度に応じて疼痛コントロールや運動強度の調整を行いながら競技復帰をしていきます
状態を確認しながらスポーツ動作を徐々に再開していき、再発予防を目的とした身体機能向上目指します
【反復性肩関節脱臼】
⚫️概要
転んで手をついたり、肩を激しくぶつけたときに発生します。
ひどい場合は肩鎖関節の先にある上腕骨が骨折する場合もあります。
肩関節は最も外れやすい関節の一つであり、肩関節脱臼は様々なスポーツで発生します。
腕がだらーんとなり、動かせなくなります。
⚫️症状
・肩が抜けそうな感じがする、嫌な感じがあり、怖くて腕を挙げれない
・脱臼した瞬間に強い痛みが生じ、音がすることもある
・肩の形状に左右差が生じることもある
・痛みにより手を挙げられなくなる
関節窩という上腕骨の受け皿につく靭帯が剥がれるバンカート損傷というものが生じます。
普段の肩は靭帯が緊張して、肩が受け皿からはこぼれおちない(脱臼しない)ように働きますが、バンカート損傷が生じると靭帯は緊張しなくなります。
⚫️治療
根治は手術が確実です。関節鏡下バンカート修復術をおこないます。
手術が受けられない事情のある方は脱臼予防装具を処方して、スポーツに励んでもらったり、脱臼しない肩の位置を指導していきます。しかし絶対的な治療とは言い難いのは確かです。
運動療法処方して脱臼をしない肩の位置を認識してもらいます。肩周囲の筋肉の強化はもちろんですが、体幹の強化を施し、全身の機能を高めます。